学生の未来のために~教師の成長に真っ向から取り組むダナン工科大学~

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!ご覧いただき、ありがとうございます。
実際に教壇に立ち授業をしているSun*の教師が各大学の魅力を発信していくプロジェクトをスタートしました!
その名も

【ここが魅力!私たちの大学紹介Project】

私たちSun*がベトナム国内で日本語教育・IT教育を提供している大学は全部で4大学あります。
その中で今回取り上げるのは、ダナン工科大学(The University of Da Nang, University of Technology 略称:DUT)。
他大学と比べたDUTの魅力とは何でしょうか。
教育現場の先生たちから、ここだけでしか聞けない生の声をみなさまにお届けします。

はじめに

みなさん、始めまして。このシリーズでは、ダナンの日本語教育情報を実際に教壇に立つ教師の目線からお伝えしていきます。
本記事では、主に、教師が何を考えてどんなことをしているのか、どのように授業が行われているのか、どのような学習者が在籍しているのかということを、可能な限りリアルな形でお伝えしていきます。

DUTでは、『学習者の自律性』を育むことを1つの大きなテーマとして掲げています。
『学習者の自律性(Learner Autonomy)』を簡単な言葉で説明すると、自分の学習に責任を持ち、計画をたてたり、その計画を実行したり、その計画や実行の結果を自分で評価し、改善を繰り返す能力ということができます。
この『学習者の自律性』を高めるためには、教師自身も、自分で成長していける教師であるべきでしょう。
第1回目の今回は、このような教師の成長を支えるDUTの取り組みを1つ、ご紹介していきたいと思います。

教師の役割の重要さ

DUTの日本語教育に携わる私たち日本語教師は、日本語教育のさらなる発展のためには、『教師の成長』が欠かせないものだと考えています。
よく考えてみると、私たち教師は、ただ単に授業(ティーチング)を行っているだけではありません。
例えば、次のような役割りも教師は担っています。

  • ファシリテーター(授業活動などが円滑に行えるように支援します。)
  • コーディネーター(学習者の学習内容、評価などをコースデザインという形で作成します。)
  • マネージャー(学習者の出席や成績を管理運営します。)
  • クリエイター(教材や課題を作成します。)
  • アドバイザー(学習者の学習にアドバイスをします。)
  • カウンセラー(学習者の将来の進路の悩みや学習の悩みの相談にのります。)
  • アンカー(職場内のあらゆる異なる立場の人と人を結びつけます。)
主体的に取り組む学生たちをときにはじっと見守る教師

このように整理してみると、どのくらい教師の役割が重要で、ただ単に教えるということに留まっていないかイメージしていただけたのではないかと思います。

私たちが目指すもの

『上手に日本語の知識を学習者に伝えることができる先生』や『自分が計画した教案通りに授業が進められる先生』、『自分が日本で経験したことを学生に上手に伝えらえる先生』
このように『教師が持っている知識を学習者に与えなきゃ!』という意識が強すぎては、主体的に考えて行動する『自律した学習者』を育成するのは、難しいと考えています。

そこで私たちの拠点では、教師の1つの理想形として、『自己成長型教師』というものを挙げています。
この『自己成長型教師』とは、次のことができる教師です。

  • 自分で自分自身の問題や属している組織の問題を発見することができる。
  • 発見した問題の解決策を自分自身で、検討することができる。
  • 検討した解決策を、実際に行動に移すことができる。
  • その行動の結果を自分で評価することができる。
  • 評価を行った結果見つかった、悪い点を改善することができる。
  • 自分で解決できない課題を、問題と共に、解決に向かった行動ができる。

このような要素を兼ね備える『自己成長型教師』でないと、『自律した学習者』を育てることが非常に難しいです。
そのため、『自己成長型教師』となれるよう、DUTでは教師が成長できる環境を整えています。
今日は、毎週行っている「振り返り会」について紹介していきたいと思います。

振り返り会の概要

DUTでは、拠点内での「振り返り会」と呼ばれる勉強会を、週に1度実施しています。
実は、今年度より大幅な日本語教育プログラムの改革を行いました。代表的なものとしては、テキストの変更です。
現在、日本語教育界で広く使用されている「みんなの日本語」から、自己表現を中心とした日本語教育を展開する「NEJ – A New Approach to Elementary Japanese -」とトピックで日本語を学ぶ「まるごと 日本のことばと文化」、この2冊を軸にした日本語教育を行っています。
(これらの教科書の詳細や実際の授業の紹介はまた別の記事でご紹介しますので、お楽しみに!)
この2冊の導入は、DUTの日本語教育の大きな転機です。それと共に、新しい挑戦でもあります。
このような新しい挑戦を、個々の力ではなく、組織の力で進めていこう!ということで行っているのが「振り返り会」です。

この振り返り会は、同じ背景、同じ実践を共有する教師達で、より具体的、かつ深みのある『振り返り』を、おしゃべりを中心とした気楽な雰囲気で行うことを目的としています。
そして、『振り返り』の習慣がない教師にはその習慣を身につけること、また、1人で振り返ることができる教師は、同僚と振り返ることにより、自分が気づくことができなかった視点や考えを取り入れることを目標としています。
実施する際の方法は以下の通りです。

授業の合間におしゃべりを通して、授業を振り返る教師

実践結果の共有

まず、1名の参加者が自分の実践でうまくいかなかった、悩んでいることを全体に共有し、他の教師と共にその解決策を考えるというものです。
これは、わたしの悩みは、あなたの悩みでもありますよね!ということが前提となっています。
ですので、聞き手は、自分の問題として、相談者の話を聞く必要があります。

相談者へのフィードバック

共有の後は、その相談者に対してのフィードバックや意見交換を行います。
この方法は、一見効率よく全体に手っ取り早く悩みを共有できると考えるかもしれませんが、相談者の立場に経って聞き手が考えらえるか、フォードバックをしてもらった相談者はどのようにそれを次に活かすの?という問題も抱えています。

振り返り会のやり方は実はもう一つあります。
それは、特に相談者はたてずに、これから行われる授業に対して相談しながら一緒に教案を作るというものです。
誰も結果が分からないことに対して、全体で成功に向かっていけるようにすることが狙いです。「NEJ」「まるごと」という新しいテキストを題材として、どのような授業が考えらえるか、どのようなことに気を付けないといけないのか、そもそもやる必要がない練習はないかなどといったことを考えます。
では、実際に振り返り会に参加している先生がどのような悩みを抱え、それが振り返り会を通して、どのような変化が見られたのでしょうか。

実際の声

 DUTのとある先生(A先生)と私(森末)とでこの「振り返り会」の振り返りをしてみました。
どのような変化を2人は感じているのでしょうか。

森末先生

今日は、振り返り会の振り返りをしたいと思います!

A先生

なんか、ややこしいですね。

確かにね。
さてさて、簡単に言えば、ビフォー&アフターを一緒に考えたいんです。

なるほど。やる前とやった後っていうことですね。

そういうことです。で、どうですか。

どうですかって急ですね(笑)。
そうですね。振り返ることは大切だということは頭では分かっているんです。でも、「振り返ってね」って言われても、何をどう振り返ればいいのか分からなかったんですよ。だから、授業をしては、「うーん、なんかうまくいかなかったと思う。」みたいな感じで、同じところをぐるぐる回っていたイメージですね。

あ、そうなんだ!ちょっと意外ですね。

そうですか?!この振り返り会で、おしゃべりしながら、みんなと授業について、あーだこーだ話していると、「あ、こうやって振り返っていけばいいのか」っていうことに気が付いて。

こうやってって、どうやって?

ですよね。えっと、基本に立ち返って振り返っていくということですね。私は、目の前の事につい入りこんじゃうところがあって。自分でも気づかないうちに。だから、目標に立ち返って、この授業の目的は何か、この練習の目的は何かってそこから、振り返って行くことが重要なんだって思って。

それは、大きい収穫だったんじゃない?

そうだと思います。おしゃべりするだけでも、全然違うなと思って。

でしょう。おしゃべりって意外と奥が深そうですよね。

まとめ①

A先生は、1人での振り返りに関して、「問題が見つかるだけで、前に進んでいる感じがしない」と言っていました。
これは、きっとA先生だけではなく、他の多くの先生にも共通する問題じゃないかと思います。
A先生は、この振り返り会を通して、どうやって振り返ればいいかという『振り返り方』を獲得したという事を言っています。
さてさて、他にも、何か変化はあったのでしょうか・・・。

他にはどう?

うーん、新しい教科書を使い始めたんで、わからないこともあったり、これでいいのかなって思ったりすることがありました。特に、教え方の面で。

なるほどね。

ええ。でも、振り返り会って、「この授業はこうやって教えたよ!」とか、「次の授業は、こうやって教えてみない?」っていうことをやるじゃないですか。

そうだね。やってる。

そういうのを通して、自分自身の教え方のバリエーションも広がってきたなぁって思うんです。

あぁ、その気持ち、私もよくわかりますね。

そうですよね。特に、NEJもまるごともテキストは、新しい日本語教育のアプローチだから、教え方もこれまでとは全然違っているし。やっぱり、一人の力じゃなくて、みんなと一緒に考えると自分ひとりではわからないことも見えてくるなぁって実感しましたね。

そうですよね。私も、同じ感覚です。
どの先生の実践も、一見同じように見えるけど、細かいところで違っていて、その一工夫が授業のスパイスになったりするんだろうな、と思っていつも参加してます。

まとめ②

A先生も私も、他の教師の実践を知ることで、自分の教え方のバリエーションが増えたと感じています。
常に、1人で考え授業をしていると、自分自身の思考が凝り固まってしまいがちでしょう。
そうすると、本当はいろいろな進め方ができるはずの授業がいつのまにか、正しい・正しくないの話になってしまいます。
この振り返り会は、その状態になるのを、予防してくれるものであると言えます。

このように、A先生は、この振り返り会への参加を通して、振り返り方法の獲得と新しい教え方の獲得があったようです。
「おしゃべり」という一見何でもない、遊びのように思える事ですが、その内容を少し授業のことにするだけで、これだけたくさんの気づきや学びを得ることができるということが分かります。

振り返り会の様子

DUTでは、個々の教師の成長をチームで後押ししようとしています。
それを、具体的な行動に移したものが「振り返り会」です。
なぜ、そこまで教師の成長にこだわっているかというと、その根底には、「教師の成長=日本語教育の発展=学習者の明るい未来」という意識があるからです。

この記事を読み、もしもっとDUTの日本語教育について知りたい!と思われた方や、どのような学習者がいるのか知りたい!と思われた方など、何か興味を持たれた方がいらっしゃれば、ぜひご連絡いただけき、情報交換や意見交換をさせていただければと思います。
ありがとうございました。

今回はダナン工科大学の大学紹介でした。
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それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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ABOUT US

永田勝也
Sales Planning
日本では公立高校や大手英会話スクールで英語教育に従事。 その後、バックパッカーやバイクで日本一周などを経験したのち、一念発起し2017年に来越。豊富な語学習得の経験を生かし、日本語教育と英語教育の両方に携わっている。2018年には語学教師としてさらなるキャリア形成のため、ベトナムで働きながらイギリスのLancaster大学でTESOL(英語教授法)修士課程に無条件合格で入学し、2020年に修了。 現在はSun*の教育事業部で日本語教師として活躍しながら、教育現場の視点を生かした施策やコンテンツ配信を担当している。 座右の銘はYou Only Live Once.(人生は一度きり)