【日本就職のビジネスマナー】報・連・相の授業について

みなさん、こんにちは。Global Education Unitの越本ヒュー@ハノイです。
3月も半ばになり、今年度も終わりですね。この時期は会社や学校も年度の切り替わりということで、日本のみなさんはいろいろバタバタしている時期かもしれません。
ちなみにベトナムでは、学校は9月から始まるので、年度の切り替わりといっても大きな変化はなく、むしろ2月のテト休み(旧暦のお正月)を恋しく思っています(笑)。
1年のタイムラインもすっかりベトナムナイズしちゃってます。

さて、本日の記事は、我々が提供する授業のトピックの1つ「ビジネスマナー 報・連・相(ほうれんそう)」について紹介したいと思います。
ビジネスマナーとして大切なものを3つ挙げろと言われれば、恐らく多くの方がこの報・連・相(ほうれんそう)を挙げるんじゃないかなと思います。
それくらい日本のビジネス社会では広く認識されているものだと思います。

学生に事前課題として課していた動画教材の1カット

しかし、これを学校で習ったことのある人はなかなかいないかと思います。多くの方は、会社の新人研修で習ったとか、本やサイトでチョロっと読んだ程度で、多くの方は社会人として働いていく上で、先輩や上司に指摘されたり、失敗しながら習得してきたのではないでしょうか?
今回は、この授業の内容だけでなく、私が授業を作る際や実施する際に気づいた点や気をつけた点をお伝えできればと思います。
私のポジションは教師ではないので、実はこの授業が初めての経験、処女作でございます!
先生って本当に大変なんだな〜と痛感した経験でした。それではいきましょう!

授業テーマ

この授業を作る際、学生の状況にあったビジネスマナーの授業をやってほしい、というオーダーでした。ただ、一口にビジネスマナーといっても、その内容は非常に多岐にわたります。
対象はIT専攻の学生で、実習生センターや日本語センターでの授業ではありません。
当然、将来はサービスや接客業に就職する学生はほとんどおらず、ITエンジニアとして働く、活躍するということを念頭においてこのテーマを選択しました。
日本特有の商習慣や慣例的な作法より、チームメンバーとの関係構築、働き方、実際の開発業務に必要となるマナーの方が優先順位が高いといえるでしょう。
身だしなみや敬語の使い方、細かい言葉遣い、お辞儀の角度など、決して不要とはいいませんが、外国人である彼らにとっては優先度は高いと思いませんでした。
※決して、”不要”といっているわけではなく、スカラシップ生など限定した学生には教えています。もちろん、優先順位に対する考え方も学生には授業で説明します。

ポイントを絞る

テーマを決定した後は、インターネットでありとあらゆるソースを読み漁りました。
このテーマは日本の新卒の人にとっても優先度の高いものだったので色々な記事がありましたが、内容も、記事によって様々でした。
そしてなにより、すべての記事は読者を日本人と想定したものなので、そのまま活用してもベトナム人の学生には伝わらないだろうというものがほとんどでした。

報告・連絡・相談はどれか一つをとっても5W1Hに気をつける必要があり、かつレベルに応じて気をつけるべきポイントも複数あります。
しかし1回の授業で、しかも母国語ではない言語で多くの情報をインプットさせても、記憶に残りません。
そしてポイントをしぼるなら、「ベトナム人と日本人の文化感の違い」や「(国籍に関係なく)新卒が陥るべきミス」を考慮して選択しました。
下記が実際に授業で使用した「報告のポイント」スライドです。

報告のポイント

「報告」の意味や目的を説明した上で、注意するポイントを、「相手が理解しやすいようにわかりやすく伝える」とした上で、その方法を伝えます。
これを選定した理由は、私自身が日々の生活で気になっていた「ベトナム人と日本人の文化の違い」からおきるコミュニケーションからでした。

彼らは、しばしば質問に対し、理由から説明に入るということをよくしがちです。日本ではこのような行為は「言い訳」として捉えられ、良くないことという認識をされますが、ベトナムでは「良くないこと」という認識があまりなく、頻繁に行われます。
それが普通のことなので当然、悪気があるわけではありません。
しかし、日本の商風習ではそうはいきませんのでしっかり説明します。下記は「相談のポイント」スライドです。

相談のポイント

ポイントを3点にしぼりましたが、特に下記2点は国籍問わず、社会人に必要とされる大切なポイントです。

  1. いつでも、遠慮しない、一人で悩まない
  2. 必ず自分の考え・意見をもつこと

事例

なにかを教えるときには、背景や目的を説明する(導入)というアプローチをしますが、それだけではなく沢山の事例(成功事例や失敗事例)を多く用いることに重点を置きました。

失敗事例

どのような失敗に繋がり、それがどのような結果を招くのかということを具体的にイメージさせるために用います。「実践的な授業」を意識しているので当然事例は、開発現場でよくおきがちな例を取り上げます。

実際に使用した失敗事例のスライド

成功事例

正しいフレームのインストールを目的としています。
これは、この後に行うロープレへの布石です。ロープレではこの事例通りに行えば上手に実施できるようなものにします(もしくは+αの要素を少しだけいれる)
この授業では「思考すること」ではなく「できるようになること」に重点を置いているので基本となる型をインストールし、実施させ成功体験を積ませます。

実際に使用した成功事例のスライド①
実際に使用した成功事例のスライド②

ロールプレイング

導入→事例紹介のあとは、徹底的に練習に時間を費やします。
それまでに学んだ事例やフレームを元に色々なシチュエーションのケーススタディを考えさせ、実践させます。
実施の理由は、この授業の目的が“わかる”ではなく”できる”をゴールとしているからですが、それだけではありません。
ベトナム人学生の特徴として、彼らは、”わかっているつもり”に陥りがちです。開発現場でも、このミスコミュニケーションによるインシデントは今までにいくつもありました。指示をして「わかった」というものの、実際にやってみると…できない。

これは、詳しく分解すると

  • 多数に向けての信された情報を、「自分ごと」として捉えない
  • わかっていないのに、「聞きました」というニュアンスで「わかった」と言ってしまう

という2つの原因に由来します。
こういう事例を実際の現場で経験しているので、これらの経験を授業に活かします。すべての授業でアウトプットをさせて、わかることとできることの大きな差に気づかせるとともに、実際に体験として刻むことでできるようになることを目的とした授業設計です。

終わりに

いかがでしたか?
この授業は3時間程度のボリュームですが、授業を作ること自体が初体験の私はこの制作に15時間くらいかかったかと思います。(つらかった…)
それでも実際の授業ではうまくいかないこともあり、色々と試行錯誤しながら、改善し、次の学年への引き継いでいます。
自分が受けてきた学校の授業も、(寝たりサボったりしてたあの科目も)このようなことの積み重ねの上にあり、ひとつひとつに意味があるものだったんだなぁと思うと少し感慨深いものがありました。
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